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なぜ人種差別(レイシズム)は存在するのでしょうか。
自分とは違って見える他者に偏見や先入観を抱くことは誰にもありますが、それを維持させているのは社会の構造であると知ることで、今までとは異なる視野が開かれると思います。
そう、人種という概念は、社会が作り出したもの。支配的文化に属する人々によって作り出されたものを私たちが受け入れてきたから維持されてきましたが、私たちが異を唱えたら、変えることができる。
訳者であるきくちゆみこさんに本書の推薦コメントを頂きました。
”他者とともに、この社会で生きることとは?差別をなくすには、何ができる?「わたし」という存在を見つめ直し、歴史と今ある社会構造を学ぶことを通じて、そうしたことをゆっくりと一緒に考えてゆける、同志のような本です。”
そう、この本は一緒に考えてゆける本です。
自分自身のこと、私たちの歴史について学び、チャプターごとに用意されている実践パートで、自分をあらためて振り返り、未来のあり方を考える。
日本ではアイデンティティについて考える機会が家庭や学校でまだまだ少ないからこそ、本書でレッスンを受けるのは、いい経験になるはず!
自分がこの社会でどのような存在で、自分には何ができるのか問いかけ続けることが、人種差別をなくす一歩一歩。その一歩一歩に、本書は寄り添ってくれると思います。
著:ティファニー・ジュエル
イラスト:オーレリア・デュラン
翻訳:きくちゆみこ
日本版解説:安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
発行:DU BOOKS