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輪郭を失いながら輝き続ける、記憶の中のいくつもの場面。芥川賞作家、待望の受賞後第一作。
旅先の妻の表情。大地震後の不安な日々。職場の千絵ちゃんの愛らしさ――。次第に細部をすり減らしながらも、なお熱を発し続ける一つ一つの記憶の、かけがえのない輝き。覚えていることと忘れてしまったことをめぐる6篇の連作に、ある秋の休日の街と人々を鮮やかに切りとる「文化」を併録。芥川賞作家による会心の小説集。
目次
お茶の時間
わすれない顔
高田馬場の馬鹿
茄子の輝き
街々、女たち
今日の記念
文化
新潮社 221p/20cm/四六判