俳句のリズム、いのちのリズム、俳句を発見する歓びにあふれる小川楓子の第1句集『ことり』。
自然や生き物との対話、暮らしの情景……。世界との新鮮な出会いをひょいと捕まえて作品に放つ。
■著者
小川楓子(おがわ・ふうこ)
1983年、神奈川生まれ。2008年、「海程」入会とともに作句開始。金子兜太に師事。同年、山西雅子に師事。2010年、「舞」(主宰 山西雅子)創刊に伴い、入会。海程新人賞、舞賞受賞。共著に『超新撰21』『俳コレ』『天の川銀河発電所』。
■本句集より
浅春の海月の影をほしがりて
ひとりとてもたのしさう臘梅ことり
山笑ふ横向いたりしてカレーパン
陛下ごきげん金魚売かしらなんて
鯛焼や雨の端から晴れてゆく
■目次
水門
夜の番地
今も夏至
寒いなあ
素足ですし
燃える
山影
スウィッチ
きみが電車で
あとがき
四六判変型/上製本/本文172頁