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近所のドーナツ屋で野球帽の男たちの話を盗み聞きする、女性ホームレスの緊急シェルターで働く、ナヴァホ族保留地で働く中国人女性の話を聞く、ベルリンでゴミ捨て中のヴァルガス・リョサに遭遇する…… アメリカ・イリノイ州でトウモロコシ畑に囲まれた家に住み、翻訳や聞き書きをしてきた著者が、人と会い、話を聞き、考える。人々の「住処」をめぐるエッセイの傑作。
解説 岸本佐知子
【目次】
平原の暮らし
トウモロコシのお酒
盗み聞き
断片アメリカーナ
十月のトニ
三百ドルの使い途
葬儀館そしてアイダ/イザベル
ギヴ・ミー・シェルター
ギヴ・ミー・シェルター(1)
ギヴ・ミー・シェルター(2)
金山の天使島
サリーあるいはユップ
ベルリン記
ベルリン六月
ベルリンあるいは悪い夢
ベルリン六月・リマ十二月
冬のニューメキシコ
帆船岩山のオアランド
雨蛇の青い目
メイリー・イン
あとがき
解説 岸本佐知子
藤本 和子 (フジモト カズコ)
1939年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1967年渡米、ニューヨークの日本領事館に勤務した後、イェール大学のドラマ・スクールで学ぶ。その後、リチャード・ブローティガンの作品をはじめ、多くの翻訳を手がける。本書の他の著書に『ブルースだってただの唄』(ちくま文庫)、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)、『リチャード・ブローティガン』(新潮社)、『砂漠の教室』(河出書房新社)など、訳書にブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』(新潮文庫)、キングストン『チャイナ・メン』(新潮文庫)などがある。