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※初版は表紙の布の色が5種類ありますが、ランダムで送らせていただきます。
※特別栞として「詩人・谷川俊太郎との対談(抄録)」を挟み込み。
第2歌集から6年、待望の第3歌集が刊行されます。既発表と書き下ろしから厳選した123首を収録しました。一首一首が、一輪挿しの花のように美しい一冊です。
◎収録歌より10首
詩の神に所在を問えばねむそうに答えるAll around you
昔より優しくなった死にたさに「どうしたんだ?」と問いかける夜
生きてみることが答えになるような問いを抱えて生きていこうね
ねむれないおまえのためにできるのは灯りをひとつひとつ消すこと
波ひとつひとつがぼくのつま先ではるかな旅を終えて崩れる
雪だったころつけられた足跡を忘れられないひとひらの水
はなびらはやさしい地雷 踏むたびに胸のあたりがわずかに痛い
目を上下上下上下と動かして百年前の詩をうすくむく
ひっぱってくれるタイプの犬だったときおりぼくにふりむきながら
鈴を手で包んでそっと揺らしたらちいさくにぶいぼくだけの音
◎プロフィール
木下龍也(きのした・たつや)
1988年山口県生まれ。歌人。 歌集に『つむじ風、ここにあります』、『きみを嫌いな奴はクズだよ』(共に書肆侃侃房)。小社刊行書籍に、岡野大嗣との共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、谷川俊太郎と岡野大嗣との共著『今日は誰にも愛されたかった』、『天才による凡人のための短歌教室』、『あなたのための短歌集』(すべてナナロク社)がある。
判型:四六変形 布張り 144頁
栞 :谷川俊太郎との対談抄録
装丁:名久井直子