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穂村弘さん絶賛!
「驚くべき希望の書。
頁を開くと、無表情な自分の胸に何かが熱く流れ込んできた。
その優しさとめちゃくちゃさに、びっくりして笑ってしまいました。
そうか、私も、どこで何をしてもいいのか。」
(オビ文より)
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あなたの言葉よ、どうか無事で──。
会社を辞め、身ひとつで詩を書いて生きることにした。
地球のあちこちで、言葉に翻弄されて立ち尽くし、言葉に勇気づけられて歩き出す。
中原中也賞受賞の詩人が、小説とエッセイで描く“魂の解放”。
一日の終わり、テラス席で深呼吸をして書きはじめる。/映画祭で来日した大スターの、通訳のあの子の涙。/元同僚の本棚に『フラニーとズーイ』を見つけたら。/海外の詩祭に参加し、エネルギッシュな詩人たちに刺激を受ける。/友人のダンサーに「一緒にメコン川を眺めよう」と囁かれ、ラオスのフェスティバルへ。/象形文字の故郷を見てみたくなって広州へ。/ベルリンで恋した古書店で詩の朗読会をしたいと申し出る。/旅先ですっかり山の虜になる……。
あちこちで出会いに胸を熱くした瞬間を書く。書くことであたりまえの自分でありつづける。
詩的な小説と散文、旅のエッセイを編みこんだ、大崎清夏の親密で、自由で、喚起力ゆたかな言葉と物語に親しむ一冊。
心に火を灯す言葉の、詰め合わせギフト。
〈初の小説!傑作3篇を収録〉
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誰かのことばで覆い尽くされた世界は息苦しいけれど、私たちは流転のなかにいるのだから、
きっと雲が晴れるようにそこここでことばは欠け、ことばの意味もあちこちで欠けて、風が入ってくるはずだ。
その風について正確に書き記すことができたら、もしかしてそれは詩なのかもしれない。
(「意味の明晰な欠け方について」より)
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[目次]
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目をあけてごらん、離陸するから
・ヘミングウェイたち
・シューレースのぐるぐる巻き
・フラニー、準備を整えて(小説)
・雷鳥と六月(小説)
・呼ばれた名前(小説)
歌う星にて、フィールドワーク
・アメリカ大陸を乗り継ぐ
・あなたの言葉よ
・航海する古書店
・音読の魔法にかかる(ウルフのやり方で)
・広州の鱈
・はじめてのフェスティバル
・神様の庭は円い
・意味の明晰な欠け方について
・おうちへ帰る人
・うれしい山
・プラネタリウムが星を巡らせるとき
ハバナ日記
少し長いあとがき かっこいい女に呪われて
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[プロフィール]
大崎清夏(おおさき・さやか)
1982年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。
2011年、ユリイカの新人としてデビュー。第二詩集 『指差すことができない』で中原中也賞受賞。
著書には詩集『地面』(アナグマ社)、『新しい住みか』(青土社)、『踊る自由』(左右社)、絵本『うみの いいもの たからもの』(山口マオ・絵/福音館書店)ほか。
ダンスや音楽、美術といった他ジャンルとのコラボレーションも多数手がける。
ロッテルダム国際詩祭をはじめ世界各地の 国際詩祭への参加を通じて出会った海外現代詩の翻訳・紹介を少しずつ推し進めている。
装画:Courtney Knight (CourtneyKnight.com.) “Traveling for pleasure”
装幀:佐々木暁
四六判変形(左右103×天地180ミリ)/216ページ/並製