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猫はうつくしい、かわいい、おもしろい……。すべてのポジティブな形容詞を与えても言い尽くせぬ魅力がある。猫は人生の余暇をすべて積み上げても語り尽くせぬ物語を日々創出している。ただ、ここ最近、誰も彼も、猫をあまりに褒めそやしすぎていないか。といったって猫にとっては無論どうでもいい話なのだが、猫以外の生きものたちは少なからず割を食っている。猫について語られた時間は、猫以外について語らなかった時間と同量である。生きものとともに過ごした時間は、人格の形成において文字通りかけがえがないものだ。これを語る「ぼく」という主語には、二羽のニワトリと三匹の犬と野良猫とインコと原っぱで捕まえた数え切れないコオロギが含まれている。極めて個人的な話を他人に話す機会はふつう訪れない。それについて書き残す機会などありえない。だけど聞いてみたい、読んでみたい、書いてみたい。そう思って、この文集をつくりました。(はじめにより)
構成
浅生鴨 庭に鳥のいたころ
わかしょ文庫 R.I.P.SRA
うのりえ 仔犬のお化け
佐々木未来 水の中のあくび
友田とん 犬、カブトムシ、その他の生きもの
柏井優佳 叔父さんのうみ
kamebooks 亀は待ってくれる
中岡祐介 千の風になった犬と、父の絶叫
ページ数 48ページ
判型 B6小
企画・編集 中岡祐介(三輪舎)
装丁 佐々木未来
発行/印刷製本 生活綴方出版部