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かなしくてさびしくて優しい人に。
詩のささやきが放つ色気にすっかりやられてしまった。不幸せな者、それでいてどうしようもなく優しい者だけが持つ、強烈な色気。ささやきでしか、本当のことは語れないのかもしれない。(向坂くじら・詩人)
『西瓜糖の日々』が文庫化されたのが2003年。大学1年生だった私はブローティガンに大いに影響を受け、物語るように歌詞を書くようになった。狂気を語る穏やかな声は、きっと今も遠くまで響くことだろう。(高城晶平・cero)
リチャード・ブローティガン(『アメリカの鱒釣り』『西瓜糖の日々』)、新訳詩集。
目次
葉書と自伝
愛から
セクション3から
多士済々、愛すべき人々
詩五篇から
モンタナ、一九七三年から
追伸
ブローティガンのような詩は、アメリカでは珍しい。とくに短いものは断片的という批判があるだろう。英米では、詩とはまとまった内容をもったものだという考えがあるからだ。だけど俳句という文芸を持つわたしたちには違和感はない。むしろ、ながたらしい現代詩よりも親しみやすい。彼の孤独、失意、悔恨、悲嘆、憤怒、感傷、空想、希望、冗談から生まれた言葉たちをたっぷり味わってほしい。《訳者あとがき より》
※本書は、『リチャード・ブローティガン詩集 突然訪れた天使の日』(中上哲夫・訳/思潮社/1991年)に、同訳者による全面的な改訳を施し、思潮社版では削除されていた3篇の詩を追加し、注釈を増やし、詩の並び順も再吟味した《完全新訳版》です。
発行:百万年書房
四六変型判 縦130mm 横160mm 厚さ17mm 重さ 144g 112ページ 仮フランス装