博多かおる(訳)
音楽という暴力、音楽という闇
誕生以前から、音楽とともに人は存在した――
否応なく魅了する反面、人を呪縛し心を引き裂く、音楽なるものと、
いかにして人は生きてきたのか。
オルガン奏者の家系に生まれた作家/音楽家ならでは視点から、ギリシャ神話、ホロコースト、文学的題材を逍遥し、人類の初源から音楽を問う、孤高の思索/詩作。
パスカル・キニャール(Pascal Quignard)
1948年、ノルマンディー地方ユール県に生まれる。父方は代々オルガン奏者の家系で、母方は文法学者の家系。レヴィナスのもとで哲学を学び、ガリマール社に勤務したのち、作家業に専心。古代と現代を縦横無尽に往来し、時空を超えたエクリチュールへ読者を誘う作品を精力的に発表しつづけている。
装幀:滝澤和子
四六判上製 214頁
水声社