other
息をひとつ吸い、またひとつ吐く。生のほうへ向かって――。
喘息の一息一息の、生と死のあわいのような苦しさ。その時間をともに生きた幼い日の姉と弟。弟が若くして死を選んだあと、姉は、父と母は、どう生きたか。喪失を抱えた家族の再生を、息を繋ぐようにして描きだす、各紙文芸時評絶賛の胸を打つ長篇小説。新潮新人賞受賞作「わからないままで」を併録。注目の新人、初めての本。
目次
息
わからないままで
小池水音 コイケ・ミズネ
1991年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2020年「わからないままで」で新潮新人賞受賞。2022年発表の小説第三作「息」が三島由紀夫賞候補に。同作とデビュー作「わからないままで」を収録した『息』が初めての本となる。