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病気は決して中立的なものではない。
治療はイデオロギーと無縁ではありえない。
死が政治性を免れることもない。
「死んだ女性たちからなる反乱軍をこの世に生き返らせたかった。」
シングルマザーであり、大学で教えながら詩人として活動する著者は、41歳のときトリプルネガティブ乳がんと診断された。著者は自らが経験したことを書きながら、スーザン・ソンタグ、オードリ・ロード、キャシー・アッカーなど、乳がんで命を落とした女性作家らが乳がんをいかに「書いたか/書けなかったのか」という歩みを辿り、米国の資本主義医療の欺瞞を突く。2020年ピュリッツァー賞受賞作。
ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』で高い評価を得た訳者、西山敦子による待望の著者初邦訳!
「病気は決して中立的なものではない。
治療はイデオロギーと無縁ではありえない。
死が政治性を免れることもない」
新田啓子氏、絶賛!
アンダイングとは、不死身ではない我々への呼びかけであり、命を落とした人々への哀悼でもある。がん医療の実際と病を語り伝える人間の不屈さを綴る本書を前に、私自身の人生観が静かに変わる。
◎目次◎
プロローグ
お告げと診断
パビリオンの誕生
病床にて
預言はどうなった?
欺瞞
ジュリエッタ・マシーナの涙の神殿にて
消耗した生
デスウォッチ
エピローグ そして 私を救ったもの
謝辞
訳者あとがき
アン・ボイヤー
詩人・エッセイスト。2018 年現代芸術財団のサイ・トゥオンブリー賞(詩部門)の初代受賞者となり、同年にホワイティング賞(ノンフィクション/詩部門)を受賞。著作に『裏切られた運命のハンドブック』があるほか、2016 年ファイヤークラッカー賞を受賞した『女性に抗する衣服』などの詩集を刊行(いずれも未邦訳)。本書で2020 年ピュリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)受賞。2011 年からカンザスシティ美術大学で教えている。ミズーリ州カンザスシティ在住。
里山社
並製四六判/カバー帯あり 288ページ
装丁:名久井直子
装画:横山 雄
(出版社HPより)