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今から40年前、ふたりの女性詩人が男性主導の文芸シーンに一石を投じるべく立ち上げた女性による女性のための詩誌『現代詩ラ・メール』。新川和江と吉原幸子というふたりの女性詩人の熱きシスターフッドの10年間を記録した『現代詩ラ・メールがあった頃』、とっても面白いです。
編集人・新川和江と吉原幸子による1983年の創刊御挨拶から面白くて、“男女それぞれに特性があることは将来ともに不変でありましょう。その特性の中で百花繚乱、時には女を超え時には女にこだわり、時には自讃し時には自省して、私たち自身という“海"ラ・メールを模索していきたいと思います。”、これが今でも臨場感を持って面白いということは社会がその頃からあまり変わっていないということでもあるけれど、まずなによりもふたりの詩人の女性と詩への情熱が伝染してきて、自分もできることをやらなきゃといてもたってもいられなくなる。
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(以下、公式サイトより)
今から40年前、ふたりの女性詩人が男性主導の文芸シーンに一石を投じるべく立ち上がった。
新川和江・吉原幸子責任編集「現代詩ラ・メール」の創刊である。
女性による女性のための詩誌創刊。
女たちの発表の場を作り出し、また新人たちを発見しはぐくみながら、詩の大海原を航海し続けた10年間。
笑いあり、涙あり、事件あり。ここで語られる数多の出来事は、単なる過去の思い出話ではない。現代にも繫がる熱きシスターフッドの物語である。
【目次】
ラ・メール誕生の夜
闘いのはじまり
F氏のジレンマとA子のトラウマ
新しい人々
怒濤のごとく日々は過ぎ
ウーマンズ・ライフ
失踪願望
しなやかに生きなさい
「おかえり」
新たなる海へ
魚たちは泳ぐ
名詩発掘
充実のとき
樹の種 こぼれ落ちてよ
顔 ゆがんでいるよ
毀れていく午後
それぞれの空へ
棚沢永子(たなざわ・えいこ)
1959年東京生まれ。大学卒業と同時に、ちょうど創刊された「現代詩ラ・メール」の編集実務を担当。鈴木ユリイカ責任編集の詩誌「Something」に、田島安江とともに編集人として参加。現在は夫婦で喫茶店を経営しながら、フリーで編集&ライター業。著書に『東京の森のカフェ』(書肆侃侃房)がある。
A5、並製、256ページ
書肆侃侃房