other
舞台はアメリカ南部の小さな町。教会の信徒席で眠る「わたし」を町の住人はピュウ(信徒席)と名づけた。外見からは人種も性別もわからず、自らも語ろうとしないピュウの存在に人々は戸惑う。だが次第に町の隠れた側面が明らかになり……。
気鋭の作家、キャサリン・レイシーが人種や性の枠組みを揺さぶる、挑発的な意欲作。
目次
睡 眠
日曜日
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
土曜日
訳者あとがき
キャサリン・レイシー(Catherine Lacey)
小説家.1985年生まれ,アメリカ,ミシシッピ州出身.コロンビア大学で学び,ノンフィクションの分野でMFA(芸術修士)を取得.2014年のデビュー作 Nobody Is Ever Missing で,『ニューヨーカー』が選ぶ 2014年のベストブックに選出.2016年,アメリカの前途有望な新人に贈られるホワイティング賞を受賞.2017年には文芸雑誌『グランタ』が10年に1度選ぶ Best of Young American Novelists の一人に選出された.本作『ピュウ』は3作目にあたる.
井上 里(イノウエ サト)
翻訳家.最近の訳書にエルナン・ディアズ『トラスト――絆/わが人生/追憶の記/未来』,ジュリア・フィリップス『消失の惑星』(以上,早川書房),ナオミ・ノヴィク『闇の魔法学校』(静山社),ジョーン・リンジー『ピクニック・アット・ハンギングロック』(創元推理文庫)など.
四六 上製 254ページ
岩波書店