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あれから何年経っただろう。あれからって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日──。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。
始まりの前の続き、続きの後の始まりを見下ろし、あの中のどこかにわたしもいる、と思った。(一穂ミチ・作家)
柴崎友香(しばさき・ともか)
1973年、大阪府生まれ、東京都在住。大阪府立大学卒業。1999年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞を受賞。2010年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。その他に『パノララ』『千の扉』『待ち遠しい』『百年と一日』ほか、エッセイに『よう知らんけど日記』など、著書多数。
四六判/344ページ
集英社