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解説 管啓次郎
訳 工藤晋
人類学とは、人間がこの世界で生きてゆくことの条件や可能性を問う学問である
マリノフスキーからレヴィ=ストロースへと連なる、未開の地を探索する旧来の人類学のイメージを塗り替え、世界的な注目を集める人類学者インゴルドの代表作、待望の邦訳!
文字の記述、音楽の記譜、道路の往来、織物、樹形図、人生…
人間世界に遍在する〈線〉という意外な着眼から、まったく新鮮な世界が開ける。
知的興奮に満ちた驚きの人類学!
目次
日本語版への序文
謝辞
序論
第一章 言語・音楽・表記法
第二章 軌跡・糸・表面
第三章 上に向かう・横断する・沿って進む
第四章 系譜的ライン
第五章 線描・記述・カリグラフィー
第六章 直線になったライン
人類学の詩的想像力 訳者あとがき(工藤晋)
さわやかな人類学へ 解説に代えて(管啓次郎)
ティム・インゴルド (インゴルド、ティム)
1948年英国バークシャー州レディング生まれ。社会人類学者。トナカイの狩猟や飼育をめぐるフィンランド北東部のサーミ人の社会と経済の変遷についてフィールドワークを行なう。線という観点からあらゆるものを捉えなおす『ラインズ 線の文化史』(原著2007)、手の仕事を通じて人類学を編みなおす『メイキング 人類学・考古学・芸術・建築』(原著2013)のほか、『ライフ・オブ・ラインズ 線の生態人類学』(原著2015)、『人類学とは何か』(原著2018)、未邦訳の著書としてThe Appropriation of Nature(1986)、アカデミズムにおける進化の概念を俯瞰するEvolution and Social Life(1986)、世界の知覚のあり方を問い直すThe Perception of the Environment(2000)などの著書がある。
四六判 上製 280ページ
装幀 松田行正+杉本聖士
左右社