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『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』高柳聡子

2,200円

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詩集とはある世界観の具現であった ロシア文学におとずれた興隆期「銀の時代」(1890~1920年代)。ペテルブルクの古書店で偶然見つけた詩集を手がかりに、100年前の忘れられた15人の女性詩人たちのことばを拾い上げる。『女の子たちと公的機関』が増刷を重ねる著者による「web侃づめ」の好評連載が書き下ろしを加えて書籍化! 鮮烈である。もう埋もれさせはしない。忘れ去られ、あるいは神秘化された女性詩人たちの生き様と詩作を掬い出すかのようなこの本は、そんな祈りにも思える。 ━━━━━水上文 【「はじめに」より】 わずか15人しか紹介できないのだが、彼女たちの詩の向こう、言葉の向こう、生の向こうに、その他の無数の女性たちの声を感じ取っていただけたらとても嬉しい。戦争や革命のどよめきのなかで世界のあちこちに散らばっていき、今ではどこに眠っているのかわからない詩人も多い。だからこそ、同じ言語で詩を残した女性たちは、こうして一冊の書物の中に久方ぶりに集うことを喜んでくれるような気がしている。(高柳聡子) 【目次】 まえがき 1 遠い異国を見つめて アデリーナ・アダーリス 2 もっとも忘れられた詩人 マリア・モラフスカヤ 3 戦争と詩を書くこと アンナ・アフマートワ 4 詩は私の祈りである ジナイーダ・ギッピウス 5 二つの魂を生きて チェルビナ・デ・ガブリアック 6 私の身体は私のもの マリア・シカプスカヤ 7 誰も見ぬ涙を詩にして リュボーフィ・コプィローワ 8 風そよぐ音にも世界は宿り エレーナ・グロー 9 「女の言語」を創出せよ ナデージュダ・ブロムレイ 10 昼の太陽と幸福と、そして夜の闇と テフィ 11 すべての詩は啓示となる アデライーダ・ゲルツィク 12 わが歌は私が死んでも朝焼けに響く ガリーナ・ガーリナ 13 テクストの彼岸にいる私 リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル 14 ロシアのサッフォーと呼ばれて ソフィア・パルノーク 15 私は最期のときも詩人である マリーナ・ツヴェターエワ 「銀の時代」主要人物 参考文献 あとがき 高柳聡子(たかやなぎ・さとこ) 1967年福岡県生まれ。ロシア文学者、翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。おもにロシア語圏の女性文学とフェミニズム史を研究中。著書に『ロシアの女性誌━━時代を映す女たち』(群像社、2018年)、訳書にイリヤ・チラーキ『集中治療室の手紙』(群像社、 2019年)、ローラ・ベロイワン「濃縮闇━━コンデンス」(『現代ロシア文学入門』垣内出版、2022年所収)など。2023年にロシアのフェミニスト詩人で反戦活動家のダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関 ロシアのフェミニストが目覚めるとき』(エトセトラブックス)の翻訳を刊行。 四六判、上製、184ページ 装幀 名久井直子 装画 Varvara Stepanova 書肆侃侃房

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