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『工芸史』一号 編: 工芸史研究会

3,080円

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これからの「工芸」のために 若手の研究者を中心に発足された、研究者や実作者、工芸に携わるすべての人が 総合的な研究発展を目指す「工芸史研究会」による、初の機関誌『工芸史』を発刊。 二〇二一年三月に設立した工芸史研究会では、陶磁、漆工、染織、金工、木工、ガラスなど、さまざまな素材の工芸品を扱う学芸員、研究者、作家が意見交換を行っています。これまでの工芸に関わる史的研究は、主に素材によって分かれ深められた領域を軸として進められてきました。しかし文化財・作品としての保存・研究・展示、また技術の継承、原料の生産……現代の工芸は、素材を問わず多くの共通の課題に直面しています。当会は、これらの問題について共に話し、各領域における研究動向や手法を共有し、会員の研究を発展させるための恒常的な場を求め、主に若手の有志を募り発足しました。創立より三年を記念し、これまで実施した研究会や講演会のアーカイブのため、そして柔軟性の高い発表・議論の場をさらに整えるべく、本誌を発刊することとなりました。 工芸は地域、時代を問わず、人の手により生み出され親しまれてきました。人々のライフスタイルが変容し、工芸と人の関係もまた少しずつ変化しています。当会は工芸をとりまく文化を後世に伝えるため、情報交換および研究の場となり、交流の基盤を築くことを目指しています。『工芸史』が、その推進力になることを祈念致します。 ◯内容 研究会憲章 活動記録  ●会員作品 畑中咲輝 (陶芸) ●第一部 これからの「工芸」 ――「工芸」・「工芸史」という茫洋と捉えにくい領域を考える指針として、寄稿論考を収録。東京藝術大学の佐藤道信氏は、明治時代における「工芸」概念の成立とその後辿った展開と工芸の未来、そして水本和美氏は、前近代の工芸に関し、出土品/伝世品の探究という表裏の存在である考古学と工芸史の協働の可能性について述べた必読の二編となる。 佐藤道信 「近現代における「工芸」の展開」 水本和美 「考古学と美術工芸史研究」 ●第二部 ――各分野を専門とする会員の論考(研究ノート・調査報告・研究動向紹介)を掲載。 神野有紗 「澤部清五郎原画《春郊鷹狩》《秋庭観楓》の制作に関する一考察―浅井忠原画《狩の図》制作過程との比較をめぐって―」 高家融 「清朝工芸における「丸文」の受容と展開―天啓赤絵と清朝宮廷コレクションを視座として―」 巖由季子 「〈調査報告〉江戸時代中後期における陶磁器補修の事例」 廣谷妃夏 「〈研究史〉中国「経錦」研究の百年」 ●付録:「工芸」関連展覧会年表(関東編、2008~2023) 工芸史研究会 (コウゲイシケンキュウカイ) (編) 2021年3月に設立した、これからの「工芸」のための研究会です。 工芸史研究会は既存の分野を横断し研究手法を集積・共有することで、工芸史研究の学問的な基盤形成に貢献します。研究者、実作者、工芸品の制作・販売にかかわる企業人など、工芸に携わるすべての人が総合的な研究発展を目指す場として、お互いの立場の違いを認め合い、議論し、工芸の将来のために支えあい、工芸史研究の楽しみや価値を追求します。 寄稿者情報: 佐藤道信(SATOU Doushin) 2024年2月現在、東京藝術大学美術学部教授。主著に『〈日本美術〉誕生-近代日本の「ことば」と戦略』(講談社、1996)ほか。 水本和美(MIZUMOTO Kazumi) 2024年2月現在、東京藝術大学大学院美術研究科保存科学研究室 非常勤講師。 主著に『17世紀の肥前色絵磁器の意匠と技術の躍進事情』(科研費成果報告、2018)、 共著に『鍋島 誕生期から盛期作品まで:明暦三年〈1657〉被災、 江戸城跡出土の初期鍋島陶片』(創樹社美術出版、2011)ほか。 発行:南方書局 B5変形判 縦251mm 横170mm 232ページ 並製

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