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『すこし広くなった「那覇の市場で古本屋」それから』宇田智子

1,980円

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沖縄那覇の「市場の古本屋ウララ」店主・宇田智子エッセイ最新刊 あれからいろいろありました。 市場の引越、アーケードの建替、コロナ禍……。 それでも続く市場の日々。 「いまから五十年よ」 つまり私が九十歳まで。 市場ではありえない 年齢ではない。 明日もすこやかに、 四・五坪の帳場で店番中。 本のこと、市場のこと、アーケードのこと、お客さんとのやりとり、忘れられない風景、そんな日々をたんたんと、ときにさざ波を感じながら綴る、あれからとこれから。 《「あれから」より》 那覇の市場中央通りで「市場の古本屋ウララ」という店を始めてから十三年半、『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』を出版してから十一年たった。  こんなに変わるなんて思ってもみなかった。ただし歴史をふり返れば、那覇の市場はこれまでもずっと変わりつづけてきた。牧志公設市場ははじめから公設だったわけではないし、建物は一九七二年にも建てなおされている。ガーブ川を暗渠にして、上に鉄筋コンクリートの水上店舗を建てたのもすごい変化だ。それぞれの店がつけていた日よけは通りを覆うアーケードになり、道は舗装された。店に目を向ければ、店や店主が入れ替わったり、隣に広がったりしている。同じ店でも、商品や陳列は日々変わっている。  町や市場をかたちづくるのは道と建物ではなくて、人の動きだ。ひとりひとりが動きつづけたことで、市場はここまで続いてきた。それを帳場から見ているつもりだった私は、自分もここで動き、動かしていくひとりであることを、ようやく自覚するようになった。  これから始まるのは狭くて小さな場所の話だけれど、あなたの暮らす町やそこにある店を思いながら読んでもらえたらうれしい。しばらくのあいだ、店の帳場に座ったつもりで耳を傾けてみてください。 ●目次  あれから Ⅰ 屋上から市場を眺める  モモとミミコ 市場を歩く 空港へ 目と口と耳  くせ字 ウンメイ 鰹節を削る 屋上から青空  バスと台風 運ばれる本 ボート遊び かわいい  Ⅱ なにがおこるかわからなかった  一世一代の パリと那覇 棚やタンス 市場ロス  当事者になる 本部町営市場 公設市場解体 アーケード撤去  言葉は残る おうち 天妃前饅頭 いまから五十年  隣の人は前の人 復興の槌音 幻の市場 「シャッター通り」  読書の秋 均一本のたのしさ 佐良浜の椅子  Ⅲ  それでもつづく市場の日々  二重のまち 市場の魔術師 ホタル、花壇、逃亡犯  屋根のあるところ 地層が見たい 日傘が守るもの  町の記憶 時間の遠近 消えたパラソル 待たせてほしい  究極の郷土出版 席替え 耳栓 やさしい屋根  三年九か月三日 おかえりなさい、公設市場  つくりつけの木の台 Ⅳ  オフ・ビート・ウララ  二〇二二年十月~二〇二四年一月 なべ/三年ぶり/往復はがき/三十九の春 /るるぶ /遠いところ 第二外国語/シャッターの鍵/クラリネット/貼紙 /大道芸   おやすみなさい、おつきさま/田芋チョコバーガー /シャッター棒 けなげ/犀星にかぶれる/すべる台車/あいだの壁/あかり 詩集/浦崎漬物店/コレクション/気配/船旅/隣の島 波の音/ハワイ/チャコペン/クルルンシー/船長/布 四国/琉球銀行のあたり/サウナ/百貨店/白い斑点 かさだて/私たち/左開き/ふたり連れ/富士山/古い本 三度め/涼しさ/島ぞうり/トイレで読む本/寝るまえに/ もしも/のぼり/誤解/カメジロー/買い出し/大仏建立  よふけ/私語      これから  宇田智子(うだともこ) 1980年神奈川県生まれ。2002年にジュンク堂書店に入社し、池袋本店で人文書を担当する。2009年、那覇店開店に伴い異動。2011年7月に退職し、同年11月11日、那覇市第一牧志公設市場の向かいに「市場の古本屋ウララ」を開店する。2014年、第7回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。著書に『那覇の市場で古本屋』『市場のことば、本の声』『増補 本屋になりたい』。 B6 248ページ ボーダーインク

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