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『あたまの底のさびしい歌』宮沢賢治/著 川原真由美/画

1,650円

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宮沢賢治は37歳という短い生涯の間に、家族や友人に向けて、たくさんの手紙を書きました。それらには、詩や童話などの作品には表れない、なまの賢治の思いをかいまみることができます。本書は、そんな賢治の手紙の1918年から1933年の亡くなる直前に書かれたものまで11通を選び出したものです。 必死の思いで書かれた賢治の手紙には、混迷する時代のなかで、人生の本当の意味や本当の価値を求めている現代人の心に響くことばがあふれています。世の中の矛盾や、自分の無力さに打ちひしがれながらも、一生懸命生きていこうと、自分自身や手紙の相手を励まそうとしています。美しい詩のようにも読める文面は、私たちへの貴重なメッセージとなるでしょう。 ■本書より 専門はくすぐったい。学者はおかしい。 実業家とは何のことだ。まだまだまだ。 しっかりやりましょう。しっかりやりましょう。 ――友人に宛てた手紙より(101ページ) われわれは楽しく正しく進もうではありませんか。 ――弟に宛てた手紙より(118ページ) どうか今のご生活を大切にお護り下さい。 上のそらでなしに、 しっかり落ちついて、 一時の感激や興奮を避け、 楽しめるものは楽しみ、 苦しまなければならないものは苦しんで 生きて行きましょう。 ――死の直前、かつての教え子に宛てた手紙より (134ページ) ■著者 宮沢賢治(みやざわ・けんじ) 1896年、岩手県花巻に生まれる。詩集『春と修羅』、童話『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』『よだかの星』など。1933年、37歳で亡くなる。生誕110年にあたる2006年には、いくつかの記念事業が計画されている。 川原真由美(かわはら・まゆみ) 書籍や広告のイラストレーションやグラフィックデザインで活躍、またギャラリーを中心に作品発表を展開。装幀の仕事は『All Small Things』(角田光代 講談社)、『高山なおみの料理』(高山なおみ メディアファクトリー)など多数、雑誌『クウネル』(マガジンハウス)『リンカラン』(ソニー・マガジンズ)『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)などでも活躍。 新書判(108×175ミリ)/160頁/ソフトカバー/本文2色刷 港の人

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