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【新装版】『ペルーからきた私の娘』藤本和子

1,980円

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日本人の妻、ユダヤ人の夫、 ペルーからきた赤ん坊。 ちょっと風変わりな家族の冒険の物語。 それは「家族」と呼ばれるのだろうか。ユダヤ人の夫。日本人の妻。ペルーからきた赤ん坊。異なる三つの旅券をもった男と女が、子どもと大人が、アメリカの小さな町で一つの「チーム」を組んで暮らしはじめた──。著者が移り住んだアメリカのさまざまな町で書き綴られた、さりげなくも感動的な暮らしのスケッチ集。1984年刊行の名エッセイ集、待望の新装復刊。 「ヤエルはほっそりした長いからだをして、わたしたちのところへきた。生まれた三日目だった。/生まれたてのみどり児はまるまると肥ってはおらず、手や脚に多くの皺がある。見えないはずの目を大きく見開いて、じっとある一点に焦点を合わせているように見えたりする。それがひどく真剣なまなざしで、「これからはあなたもまじめに生きるんですよ」と、わたしに伝えようとしているのかしらと思ってしまう。」(本文より) ――― 【目次】 ■ペルーからきた私の娘 ■ウィラード盲目病棟 白樺病棟の「高砂」 かげりもない、ペネイの夜ふけに ボランティアたちの晩餐会 スパゲティかぼちゃ 夢 オムライス ヘンリーの運勢判断せんべい ■鯨が生んだ鱒 『アメリカの鱒釣り』の表紙の町 『アメリカの鱒釣り』の表紙の男 はじまりとおわり 連続と不連続 一すじの黒髪と紙屑籠 ペンキ塗るひと たましいの遺産 あとがき 解説 聞くことと聞けぬこと、その奇蹟について 榎本空 ◇藤本和子(ふじもと・かずこ) 1939年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。リチャード・ブローティガン、トニ・モリスンの作品をはじめ多くの翻訳を手がけるほか、聞き書きをもとにしたエッセイの名手として知られる。著書に『砂漠の教室』(河出文庫)、『イリノイ遠景近景』『ブルースだってただの唄』(ちくま文庫)、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)など、訳書にブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』(新潮文庫)、トニ・モリスン『タール・ベイビー』(ハヤカワepi文庫)などがある。 四六判上製 244頁 晶文社

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