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『ジョヴァンニの部屋』ジェームズ・ボールドウィン / 訳:大橋吉之輔

2,310円

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解説:金原瑞人 ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より) [著者略歴] ジェームズ・ボールドウィン(James Arthur Baldwin 1924-1987) アメリカの小説家、劇作家、詩人、公民権運動家。 ニューヨークのハーレムで生まれる。母は未婚で、実父に会ったこともなかった。3歳の時に母が結婚し、少年時代は厳格な義父との関係に悩む。1948年から10年にわたってパリで生活する。53年、父子の関係を描いた自伝的小説『山にのぼりて告げよ』でデビュー、55年、エッセイ集『アメリカの息子のノート』を刊行、鋭利な論客と呼ばれた。56年、フランスを舞台にした『ジョヴァンニの部屋』(本書)を刊行。同性愛を描いた衝撃的な内容が当時の社会に波紋を呼んだ。62年、人種差別の問題や複雑に絡み合う人間関係を描いた小説『もう一つの国』を刊行。61年、『誰もぼくの名を知らない』、63年、『次は火だ』を刊行し、人種差別への抗議を行なった。74年、ハーレムを舞台に、かけがえのない愛と尊厳を描いた『ビール・ストリートの恋人たち』を刊行、2018年に映画化。未完の作品”Remember the House”をもとにしたドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』(監督:ラウル・ペック)が2018年に日本で公開され、話題を集めた。 [訳者略歴] 大橋吉之輔(おおはし・きちのすけ) 1924年、広島県生まれ。慶應義塾大学名誉教授。 著書に『アメリカ文学史入門』(研究社出版)、訳書にソール・ベロウ『犠牲者』(共訳、白水社)、ストウ夫人『アンクル・トムの小屋』(旺文社文庫)、ジェームズ・ヘリオット『ヘリオット先生奮戦記』(早川書房)など。1993年没。 白水Uブックス 新書版・306ページ

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