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『あのころの僕は』小池水音

1,760円

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自分でも分からなかったあの頃の感情に、この小説は居場所を与えてくれる。 私たちは、切実に生きていた。 西加奈子 (作家) 停まった時間の内に、再び歩き始める生の兆しをみた。 古川真人 (作家) いつかきっと、いろんなことがわかるようになる。 母を病で失った五歳の「僕」は、いくつかの親戚の家を行き来しながら幼稚園に通っていた。大人たちが差し出す優しさをからだいっぱいに詰め込み、抱えきれずにいた日々。そんなとき目の前に現れたのは、イギリスからやってきた転入生のさりかちゃんだった。自分と同じように、他者の関心と親切を抱えきれずにいる彼女と仲良くなった「僕」だったが、大人たち曰くこれが「初恋」というものらしく……。 コンビーフのサンドイッチ、ひとりぼっちのハロウィン、ひみつの約束、悲しいバレンタインデー。 降り積もった記憶をたどり、いまに続くかつての瞬間に手を伸ばす。 第45回野間文芸新人賞候補作となった『息』に続く、注目の若手による最新中編。 小池水音 (こいけ・みずね) 1991年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2020年「わからないままで」で第52回新潮新人賞を受賞しデビュー。3作目「息」が第36回三島由紀夫賞候補作に。同作とデビュー作を収録した初の単行本『息』は第45回野間文芸新人賞候補作となった。 四六判/160ページ 集英社

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