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こころの色はどんな色か。こころの文字はどんな文字か。きっとこれまで出会ったすべての人が重なった花束のようなものだろう。自分の時間を振り返ってわかったことは、自分はひとりではなかったということ。ぜひお手にとって、自分の時間へ。
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(以下 公式サイトより)
本と、人と、記憶と共に暮らすための智
「自分の時間は、自分だけでゆたかにすることはできない――」他者あっての世界において、本と、人と、記憶と共に暮らすための智。
「自分の時間は、ほんとうは、他の人びとによってつくられているのだと思う」
「後になっておおきな意味をもつことになることのおおくは、しばしば始めは、何でもない些細なことにすぎない」
「得たものはつねに、失ったものに比例している」──。
言葉と共に暮らし続けた詩人の記憶から静かに届けられる、自らの人生を生きていくための小さなヒントたち。傑作エッセイ集。
目次
Ⅰ
敬三君のこと
立子山のこと
早稲田独文のこと
ゴーゴリの伝記のこと
早稲田通りのこと
上甲さんのこと
雑誌『現代詩』のこと
小田さんのこと
中村さんのこと
六月劇場のこと
ガリ版と夢のこと
スバル360のこと
鉄条網の刺のこと
パトリシアのこと
負けるが勝ちのこと
手わたされた言葉のこと
クリストファーさんのこと
テポストランのこと
渡辺さんのこと
甲賀流のこと
一緒にした仕事のこと
そのとき話したこと
鶴見さんのこと
井の頭線沿線のこと
カンチェーリのこと
三匹の猫のこと
Ⅱ
無音の音楽、見えない舞台
露伴のルビのこと
三冊の聖書のこと
戯れの二篇の詩のこと
岩波文庫のこと
野球と第一書房のこと
夏に読んだ本のこと
秋に読んだ本のこと
冬に読んだ本のこと
正月に読んだ本のこと
本のかたちのこと
本の色と本の服のこと
引用の力ということ
ホイットマンの手引きのこと
へそまがりの老人のこと
十冊のジョバンニのこと
不治の病のこと
all the wrongs of Man
詩人トゥルミ・シュムスキー
樽の中の哲学者のことなど
解説 辻山良雄
ちくま文庫 208ページ