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朝まで歌い続けた祖父の声、夢でしか会えない祖母の感触、旅の夜に聞いた息子の本音――。どんなに近くに暮らしていても、いちばん分からない。だから尋ねてみた。「あの時ってさ……」。知れば知るほど、もっと大好きになるから、家族って不思議だ。なにげなくて愛おしい記憶のかけらを拾い集めた、20のエピソード。
目次
まえがき
1 いつの間にか引き継いでいたわが家の味
2 いつまで経っても慣れないこと
3 旅に出た日が遠くなっても
4 父のへべれけ“酒道”十ヶ条
5 最初で最後の義父との夜
6 ちょっと遠くに住んでいる兄妹たち
7 今日が最後だと思いながら歩いた道
8 街を歩くすべてのお母さんと握手したい
9 オールナイトライブ祖父
10 祖母のかけらを拾い集める
11 世界に一つだけのかめきち
12 いつかあの劇場の近くで
13 旅の夜のインタビュー
14 つくられた家族、つくる家族
15 知らない時間を生きていく人
16 モモがいなくなってしまったこと
17 生まれた時のこと、おぼえてる?
18 目が覚めた時、横におってな
19 カエルを探して山を眺める
20 ちぐはぐなリズムの寝息
あとがき
四六判 224ページ
新潮社