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墓参りに帰郷した「わたし」に語りかける、死んだ幼馴染の声。行方不明の母、蒙昧な神のごとき父、汚言機械と化した祖母……平凡な田舎に呪われた異界が立ち上がる。
第61回文藝賞受賞作。
パラノイアックな人物の視点を描ききる勇気と高度な文章技術。新人離れした作品である。 ──小川哲
誰が存在したかも、語り手の性別すらも明示されないあいまいさ。たしかなことが何ひとつないからこそ、この小説は強いのだ。 ──角田光代
尋常の景色、おそらくは平穏で退屈な田舎の景色をそのまま描いて異常の景色となす不思議の筆力。美事だった。 ──町田康
特別な文体と出会う喜びを覚え、言葉自体に強烈に惹きつけられた。この作品が宿しているものの大きさに、ただただ圧倒された。 ──村田沙耶香
十年ぶりに、坂と崖に囲まれた故郷の田舎町をおとずれた「わたし」。
墓地へと続く道を進むと、死んだはずの幼馴染「キイちゃん」の声が語りかけてくる。
行方不明の母、蒙昧な神のごとき父、汚言機械と化した祖母……
不確かな記憶が流れ込み、平凡な田舎に呪われた異界が立ち上がる。
圧倒的異才が放つ、衝撃のデビュー作!
著者
待川 匙 (マチカワ サジ)
1993年生まれ。徳島県生まれ、滋賀育ち。会社員。2024年、「光のそこで白くねむる」で第61回文藝賞を受賞。
四六判 112ページ
河出書房新社