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「奥まった神聖な地」熊野地方、那智大社の裏手に位置する秘境・旧色川村。この地で、長年自給農家を営んできた「そこそこ農園」の外山哲也さん・麻子さんが、牛耕の復活をめざして大事に育ててきた牛を「食べる」ことに決めた。牛を運び、肉にしてもらうまでの困難、その肉をみんなで分かち合い食べた日、そして後日談。その一連の営みを、同じ村に住む千葉貴子が、文章と写真で記録した一冊。
1頭の牛をきっかけに考える、今この時代に動物を殺して食べることその意味。昔ながらの暮らしが色濃く残る中山間地で、いまも、これからも生きていくこと…。
大きな文脈では見えにくい小さな営みから掘り起こす確かな生の手応えは、きっとさまざまな人の思考や生活につながっている。そんな気持ちで作った、らくだ舎出帆室発のルーラル・ノンフィクション。
目次
プロローグ 屠殺、そしてチキンフライの衝撃
第1章 きくなを食べることにした
第2章 きくなの出荷。あまりにも長い一日
第3章 きくなという牛
第4章 きくなを食べた日
第5章 動物のいのち、人間のいのち
第6章 そして、次の牛へ
エピローグ 時折、熊に喰われる自分を想像する
表記について
謝辞
参考文献
千葉貴子 (チバタカコ) (文・写真)
一九八五年茨城県生まれ。大学卒業後、二〇〇八年に生活協同組合の広報物制作を担う編集制作会社に入社。農・食を中心とした執筆、編集を学ぶ。二〇一六年、独立と同時に和歌山県那智勝浦町色川地区に移住。農・食・環境・地域の四つをテーマに仕事を受託しつつ、夫の智史とともに、週三生活文化複合拠点「らくだ舎」(喫茶室・本屋・図書室・地域商店)を運営しながら、らくだ舎出帆室として出版活動を行っている。
発行:らくだ舎出帆室
文庫判 重さ 130g 176ページ