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《世界的ベストセラーの改訳・新装版》
愛は技術であり、学ぶことができる――
私たち現代人は、愛に餓えつつも、現実にはエネルギーの大半を、成功、名誉、金、権力といった目標のために費やし、愛する技術を学ぼうとはしない。
愛とは、孤独な人間が孤独を癒そうとする営みであり、愛こそが現実の社会生活の中で、より幸福に生きるための最高の技術である。
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【新版での変更点】
■時代に合わない表現・用語などを変更
旧:異性愛 → 新:恋愛 旧:兄弟愛 → 新:友愛
旧:月賦 → 新:カード払い 旧:冷感症 → 新:不感症
旧:前世紀、今世紀 → 新:一九世紀、二〇世紀
■さらに読みやすくわかりやすい訳にブラッシュアップ
〈旧〉愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、きっと失望するにちがいない。そうした期待とはうらはらに、この本が言わんとするのは、愛というものは、その人の成熟の度合いに関わりなく誰もが簡単に浸れるような感情ではない、ということである。
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〈新〉愛するという技術についての安易な教えを期待してこの本を読む人は、がっかりするだろう。この本は、そうした期待を裏切って、こう主張する――愛は「その人がどれくらい成熟しているかとは無関係に、誰もが簡単に浸れる感情」ではない。
〈旧〉生まれてはじめて、合一感、共有意識、一体感といったものを知る。
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〈新〉生まれてはじめて、他者との結びつき、分け合うこと、一体感といったものを知る。
30年ぶりに訳文に大幅に手を入れた、改訳・新装版!
目次
第1章 愛は技術か
第2章 愛の理論(愛、それは人間の実存の問題にたいする答え;親子の愛;愛の対象)
第3章 愛と現代西洋社会におけるその崩壊
第4章 愛の習練
フロム,エーリッヒ [Fromm,Erich]
1900年、ドイツ・フランクフルトに生まれる。ハイデルベルク、フランクフルト、ミュンヘンなどの大学で学んだのち、ベルリンで精神分析学を学ぶ。フランクフルト社会研究所を経て、1933年アメリカに渡り、のちに帰化。イェール、ミシガン州立、ニューヨークなどの大学で教鞭をとり、さらにメキシコに移住。1980年没。フロイト理論にマルクスやヴェーバーを接合して精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。また、真に人間的な生活とは何か、それを可能にする社会的条件とは何かを終生にわたって追求したヒューマニストとしても有名である。しだいに、禅や東洋宗教へも関心を深めた。著書多数
鈴木晶[スズキショウ]
1952年、東京に生まれる。東京大学文学部ロシア文学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期修了。法政大学名誉教授。専攻は文学批評、精神分析学、舞踊学。著書・訳書多数
212p/20cm/46判
紀伊國屋書店